バイオリンで、「大人になっても早く指が回るようになりたい」なら、シュラーディーク!

速い曲を弾けるようになりたい。あのバイオリニストと同じようなテンポで弾けるようになりたい。そのためには早く指が回ることが必要になってきます。大人だから、大人になってから始めたから、もう無理と諦めてしまう方も多いかもしれません。そこで是非、やっていただきたい練習曲があります!

それがシュラディークです。シュラディークはドイツのバイオリニストであり、素晴らしい教育者だったそうです。この楽譜を見れば、どれだけ素晴らしい教育者だったかよくわかると思います。

一巻は単音でファーストポジションから始まります。最初の方はA線のみ、その後は移弦や難しい調性、ハイポジションまで、よくここまで考えたなあと感心してしまいます。最初の部分だけでもちゃんと弾くのは、とても大変です。実は二巻もあります。二巻は重音。本当にこれは辛い。一巻でとりあえず十分です。これをすると、音程が良くなる、手の形がキレイになる、速いスピードで弾けるようになる、いいことづくめです。

こちらが一巻。

シュラディーク一巻

こちらが二巻。

シュラディーク二巻

楽譜はずーっとこんな感じです。

練習の仕方ですが、1、2個の練習でも十分効果があると思います。繰り返しはどちらでも。頑張れる!って人はⅠをすべて。リズム練習や、ゆっくり弾いて指の形を確認します。

できるようになったら、スラーを長くして、暗譜です。
シュラーディークはロシア人が大好きな練習曲です。サンクトペテルブルグ音楽院生徒達は廊下で暗譜でもうスピードで練習しています。小野アンナ先生(サンクトペテルブルグ音楽院卒)の門下生だった方も教材として使用していますが、間違えたらもう一度レッスンに持っていくらしいです。アナスタシア先生(モスクワ音楽院卒)も16分音符ではなく32分音符のように弾いていているのを聞いたことがあります。もはやトリルみたいな感じでした。モスクワ音楽院の付属中で教えてらっしゃる先生も、その方に習い始めたら曲はもらえず、半年間くらい音階とシュラーディークの日々に明け暮れるとか。ロシア人はとても基礎を大事にしているのだと思います。

シュラーディークを持ってきて下さる生徒様のレッスンでは、苦手なところを、何が原因なのか考えます。一人一人結構違います。手の大きさ、指の長さ、爪の形、指と指の開き方、関節の曲がり方、等が皆違うので私が弾きやすいやり方をアドバイスしても弾きにくいことがあります。曲でアドバイスするより、シュラーディークの方が自分の経験に当てはまらないことが多いので大変ですが、解決できた時は今後に生かすこともできるので、達成感があります。

是非試してみて下さい!

バイオリン講師 澤井亜衣