ロシアの代表的バイオリニスト、「冷たい音」と「暖かい音」を比較してみた結果の感想は?

バイオリニストによって音色に特徴があります。国や流派、骨格や性格など、音色の違いの要因は色々です。各々にしか出せない音色だからこそ、同じ曲でも、今度はあの人のこの曲を聴いてみたい!となるのです。

今回は良く比較される2人のバイオリニストの音色を載せてみたいと思います。

1人目はダヴィッド・オイストラフ。ウクライナのオデッサ生まれのソビエト時代のバイオリニストです。

2人目はレオニード・コーガン。コーガンも同じくウクライナ出身のソビエト時代のバイオリニストです。

どちらが暖かい音色で、冷たい音色なのか?CDに写っている2人の写真を載せてみました。

オイストラフとコーガン
左がオイストラフ、右がコーガン

何となく見た目で聴かなくてもわかるのではないでしょうか?オイストラフか暖かい音色でコーガンが冷たい音色とよく言われています。
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を聴き比べてみたいと思います。


冷たい音と評されるコーガンですが、結構この音は好きです。(オイストラフよりさっぱりめ?!)アナスタシア先生はチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲はオイストラフを参考にすると良いと言っていましたが、コーガンの音色もチャイコフスキーに合っていて好きな演奏の一つです。

ロシアメソッドと言われるメソッドがありますが、ロシアメソッドの中でも色々あります。実際ロシア留学して感じたことですが、サンクトペテルブルクとモスクワでもメソッドが違うと思います。その違いを教わったわけではありませんが、生徒や先生方の演奏を聴いていると、サンクトペテルブルクの方が、音色がパリっとしていて、爽やかという感じです。(弓を結構使うからかな?)モスクワは音色に深みがあり、少し個性的な感じがしました。(あくまでも個人的な意見です。)

サンクトペテルブルクはロシアで最古の音楽院で伝統を重んじる傾向があるので、演奏者よりは作曲家を重要視している感じがます。そのせいか、モスクワより個性を感じにくいのかもしれないです。

バイオリン講師 澤井亜衣