ロシアで、友達や、目上の方に対しての呼び方

ロシアでは、友達同士の間では愛称で呼びます。ロシア人の名前は長いからだと思います。

例えば、エカテリーナだったら、カーチャ、アナタスタシアだったら、ナスチャなど。

ロシア人の名前は、比較的長くても覚えやすいです。なぜなら、日本のように名前の種類が多くないからです。なので、知り合いや友達が同じ名前の人が何人もいます。反対に、ロシア人の名字は種類が多いので、覚えにくいと思います。

逆に、日本人の名前は、ロシア人に覚えてもらいやすいと思います。日本語は母音もしくは、母音+子音でできているからです。韓国人や中国人の留学生が多かったのですが、子音が重なっていたり、長い名前が多く、ロシア人に覚えてもらうのが大変そうでした。ちなみに私の名前はアイなので、とても短く、しかも母音しかありません。すぐに覚えてくれました。ただ、あまりにも名前が短か過ぎるため「そんな短いの?」と言われることも。たまに、ロシアの名前の愛称みたいに親しみを込めて「アイネチカ」と呼ばれることもありました。(名前より愛称の方が長くなっていますが。でも親しみを込めて呼んでくれるのは、嬉しいものです。)

目上の方に対しては、名前+父称で呼びます。名字だけで呼んでしまうと、相手に対して失礼だからです。父称とは、相手の父親の名前のこと。日本ではあまり馴染みがないと思います。名字、名前、そして父称を覚えることに、私は結構苦労しました。

父称は印刷物には書いてありませんし、目上の方と最初に知り合った時に、自ら父称を言うわけでもありません。(もちろん、こちらから聞けば教えてもらえます!)
でも父称は大事なので、メモしようとするのですが、口頭で返ってくる父称は聞き取りづらく、正しい綴りがわからないままメモするなんてこともありました。

特に先生に電話するときに名前と父称を言う時は言いづらいので、緊張した記憶があります。(先生はとても厳しい方だったので違う意味でも緊張していたのかもしれないのですが。)
私が習っていた先生のお父様の名前はユーリーだったので、ウラディミールユーリエヴィッチと生徒達からは呼ばれていました。

ウラディーミルユーリエヴィッチ。 ウラディーミルユーリエヴィッチ。 ウラディーミルユーリエヴィッチ。

私は電話を先生にする時、呪文のように唱えてから掛けていましたが、発音が悪かったり、つっかえたりして、先生や奥様に「は?」みたいに言われることが多かったです。でも何とかやっていました。

ロシアの有名な作曲家チャイコフスキー(Пётр Ильич Чайковский)の名前はピョートル、父称はイリイチ。(父親の名前がイリヤです。)ちなみにピョートルの愛称はペーチャです。

ロシアは名詞にも愛称があります。それだけ、人や物に対する愛情や愛着がとてもある国民なんだろうと思います。

今週の土曜日、鶴川にあるバー、ロワゾーブルーにて演奏いたします。
お時間がありましたら是非お越し下さい。

バイオリン講師 澤井亜衣