バイオリンが嫌いな作曲家プーランクの歌曲をバイオリンで弾いて載せました。
今年はフランス音楽を個人的によく練習していました。代表的なフランスの作曲家といえば、サンサーンス、ドビュッシー、ラヴェル、あたりでしょうか。今年はいつもの年より、ピアノを弾いていたこともあり、フランス音楽がいいなあと思った1年でした。フランス音楽の何がいいのかというと、色んな音が混じることによって聴こえる響きです。メロディー担当のバイオリンに比べてピアノは同時にいくつもの音が出せるので絶妙な音の重ね方がしっかり感じとることができて、フランス音楽にはいいなあと。パレットに色んな色の絵の具とたくさんの水を入れて混ぜ合わせたような感覚とたくさんの音色が似ていて、とても色彩豊かなのです。メロディーだけきいているより、いくつもの音が重なった方ががフランス音楽の魅力が伝わると思います。
フランスの作曲家の1人、プーランクはバイオリンが嫌いでバイオリン曲は本当に少ないです。でも、ジネットヌヴーのために作曲されたバイオリンソナタがあります。荒井先生に「澤井さんはプーランクのソナタが合いそう」と言われてプーランクのバイオリンソナタを弾いたのですが、バイオリンが嫌いな作曲家とは思えなかったです。ヌヴーの力なのかもしれないです。音楽は人の影響力によって動かされると思います。しかし皮肉にも辛い出来事(政治、戦争、死)で音楽が生まれるのも事実です。色々プーランクの作品を聴いているうちに、バイオリンに合いそうな声楽曲を知り、楽譜を購入。「偽りの婚約」という声楽曲の花という曲です。今回はそれを録音して載せました。ピアノも私です。
この歌曲の詩はヴィルモランという女性が描いたもので、とても魅力的だったとか。幻想的な作風でこのメロディーとも合っています。
バイオリン講師 澤井亜衣