ありそうでなかった音楽書籍「ヴァイオリンBasics」を紹介します!

ヴァイオリンに関する書籍はたくさんありますが、正直読みづらい本が多いです。
音楽を言葉で表すことは、難しいと思いますし、ある程度ヴァイオリンを習ってないと読みづらい本もたくさんあります。

生徒様達が熱心で書籍を購入するのですが、読んでも理解できず、私に「読んでもらえませんか?」と持ってこられる方がいらっしゃいます。私も理解するのは難しい時があり、読み進めるのに時間がかかります。音楽書籍は役には立ちますが、初級者にはオススメできる本は少ないと思います。中級者から上級者、ある程度一通りの奏法が弾けるようになってから読むとことをオススメします。読むことで、違った方向からのアプローチが受けられるので、刺激になり、上達すると思います。

今回、ご紹介するのは、音楽之友社から出ている、サイモン・フィッシャー著、木村恭子、勅使河原真実共訳の「ヴァイオリンBasics」です。

ヴァイオリンベーシック

ヴァイオリン Basics

サイモン・フィッシャーはイフラ・ニーマンとドロシー・ディレイに師事しています。師事している先生は二人とも素晴らしい教育者です。2016年に日本語版が発売されました。共訳された木村恭子氏、勅使河原真美氏は直接は存じ上げませんが、日本の代表するヴァイオリニスト達を数多く育てあげています。私が師事した荒井先生も木村先生に習っており、インタビューなどから、とても素晴らしい教育者だと想像できます。(とくに基礎の教え方が上手なのではと思います。)

この本の良い所は索引があり、自分が苦手なテクニックを調べると、説明が簡潔に書かれています。それから、練習方法も記載されているので、すぐに練習できるのです。

「これができないなあ。」というときにパッと調べて参考にする。辞書のような、参考書のような使い方をしています。また、たくさんのヴァイオリンの奏法が書かれていますので、ヴァイオリン奏法の種類を覚えるにも良い教材だと思います。練習方法も書かれてあるので、名前を覚えながらその奏法の練習もできます。

サブタイトルにいつでも学べる基礎練習300と書いてありますので、練習の種類も豊富です。

私が良いなと思った点は色々ありますが、グリッサンドについて書かれてあるということ。ヴィブラートが書いてある本はいくらでもあるのですが、意外とグリッサンドについての本が少ないような気がします。

とても大事なテクニックの一つですし、曲の見せ場として結構出てくるとは思うのですが、私自身レッスンでそんなに丁寧に習った記憶がなく、正しいのか不安でした。

今後教えるために自分の弾き方で間違っていないか、音楽書籍を参考にしようと思ったのですが、意外とグリッサンドについて書いてある本はなく、この本が役に立ちました。他のヴァイオリン経験者に聞いてもそんな感じの答えが返ってきました。(ちゃんと習っている方もいるとは思いますが。)

最近は世界中の素晴らしい音楽書籍が日本語に訳されてきています。たくさんの日本人が世界で勉強し、活躍し、遅れているとは言われますが、グローバル化しているのだと思います。

是非読んでみて下さい。

バイオリン講師 澤井亜衣