タイスの瞑想曲|なぜこんなに難しいのか?芸劇で聴いた演奏から学んだこと

タイスの瞑想曲は、フランスの作曲家マスネによるオペラ「タイス」の中で演奏される間奏曲です。

物語の中では、主人公タイスがそれまでの生き方を悔い改め、信仰へと心を向けていく回心の場面に用いられる、非常に重要な音楽です。

このオペラは、娼婦として生きてきたタイスと、彼女を導こうとする修道僧アタナエルとの間に生まれる、救いと葛藤、そして悲劇的な愛を描いています。

日本ではオペラ《タイス》全曲が上演される機会は多くなく、この「瞑想曲」だけが独立して演奏されることの方が圧倒的に多い作品です。

そのため、この曲はバイオリン作品の中でも頻繁に演奏される作品のひとつです。

私がこの曲に強く惹かれるようになったきっかけは、東京芸術劇場で聴いた、アナスタシア・チェボタリョーワ先生による《タイスの瞑想曲》でした。

その演奏があまりにも素晴らしく、印象的で、「この曲を、このように弾けるようになりたい」そう強く思ったことを今でもよく覚えています。

その想いがきっかけとなり、実際にレッスンでこの曲を教わることになりました。

レッスンを通してあらためて感じたのは、この曲が想像以上に強弱の幅が大きく、そしてテンポが常に揺れ動いている音楽だということです。 

一見すると穏やかに一定の流れで進んでいるように聴こえますが、内側では細やかな呼吸や感情の起伏が絶えず音楽を動かしています。

先生からこの曲を通して教わったのは、「楽譜に縛られすぎず、自由に音楽を語ること」でした。

ただ、その“自由”は決して簡単なものではなく、今でもなお、自由に弾くことの難しさを感じ続けています。

だからこそ、この曲には何度向き合っても新しい発見があり、時間をかけて深めていく価値がある作品だと感じています。

※本記事で紹介している《タイスの瞑想曲》の演奏は、YouTubeに掲載しています。演奏とあわせてお読みいただけましたら幸いです。また今後は、YouTubeでも《タイスの瞑想曲》について、演奏だけでなく、音楽的な解釈や感じ方も含めた解説をお届けできればと思っています。


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