ロシアのバッハ?ヴィルトゥオーゾ、ハンドゥシュキンの曲を弾いて載せてみました。

「ハンドシュキンって誰?」と思われる方も多いかもしれません。

日本の音楽大学ではほとんど演奏されることがなく、あまり知られていない作曲家です。

イワン・ハンドシュキン(1747-1804)はロシア初の大ヴァイオリニストとされ、「ロシアのパガニーニ」とも言われています。

エカテリーナ宮殿

この写真はエカテリーナ宮殿です。ハンドシュキンはここで宮廷バイオリニストとして活躍していました。

私がロシアに留学していた際、ロシア音楽史(ロシアの弦楽器の歴史)の授業で最初に学んだのがハンドシュキンでした。ちょうどバッハが活躍していた時代と重なり、バロック時代からロシアの弦楽器の歴史が本格的に始まっていくことを示す存在でもあります。

サンクトペテルブルク音楽院は、ロシア最古の音楽院(1862年創立)で5年制です。

4年生になると、学習内容はより専門的になり、私はオーケストラ科に所属していたため、バイオリンの先生から教授法やロシアの弦楽器の歴史を学びました。専攻ごとにカリキュラムが異なり、ピアノ専攻の学生はピアノの歴史を学ぶようになっています。

ロシアのヴァイオリンメソッドは、ハンドシュキンから始まっているのではないかと私は考えています。

ヴィエニャフスキ(ポーランドの作曲家)が1860年代にサンクトペテルブルク音楽院で教鞭をとっており、その後、レオポルド・アウアー、ミルシテインやハイフェッツといった世界的なヴァイオリニストへと繋がっていきます。日本でも教本で有名な小野アンナも、この流れを継いでいるといえます。

ハンドシュキンの楽譜を見て驚くのは、その高度なテクニックです。

18世紀の作品でありながら、これほど技巧的な曲を作曲したことを考えると、彼が優れたヴァイオリニストであったことがわかります。

ロシアでも演奏される機会は多くありませんが、ヴァイオリンを学ぶ上で重要な人物だと思います。

この曲には、ロシアの冬の厳しさのような雰囲気があり、とても気に入っています。

ただ、本当に難しく、最初から最後まで納得のいくクオリティの音源を作ることはできませんでした。

でも「ずっとそう思っているとアップできない」と感じたので、練習の過程として公開することにしました。

今後上手になるかは別の話ですが。

曲の中で「大きな鼻息」が3回聞こえますが、あえて消しませんでした。

この曲には、むしろそれが必要な気がしたからです。

とても歴史を大事にするサンクトペテルブルグ。

「こんな曲もあるんだな」と気軽に聴いていただけたら嬉しいです。

あ、ちゃんと聞くと鼻息4回聞こえます。

バイオリン講師 澤井亜衣