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バイオリン教室ノータの演奏動画、チャイコフスキーのメロディについて

バイオリン教室ノータの演奏動画を載せるにあたって、どの曲にするか随分悩みましたが、私がロシアの作曲家が好きなこともあり、チャイコフスキーのメロディにしました。

おそらくロシアの作曲家の中で一番有名なのはチャイコフスキーかもしれません。バレエ「白鳥の湖」や「眠れる森の美女」、交響曲や協奏曲、色んな編成の作品を数多く残しました。

チャイコフスキーは旋律の魔術師と言われるのですが、本当にメロディーが美しいです。でも、それだけではありません。チャイコフスキーは、音階(ドレミファソラシド)のようなシンプルな音の配列で、魅力的な作品を創り出します。それが魔術師と言われている一つの理由だと思います。

ただ、チャイコフスキー自身は西洋の音楽に憧れを持っていたため、少しロシア風の土臭い音楽が作品から抜けない旋律に少し戸惑いを感じていたかもしれません。でも、それが彼の作品の魅力だと思います。

チャイコフスキーはサンクトペテルブルグ音楽院の第一期生です。その後、モスクワ音楽院で教鞭をとります。(ちなみにモスクワ音楽院の正式名称はチャイコフスキー記念ロシア国立モスクワ音楽院です。)

チャイコフスキーは同性愛者だったのですが、音楽院の生徒ミリュコーヴァに熱烈なアプローチを受けて結婚します。しかし、うまくいかず結婚生活は約2週間。その時に精神的に支えたのが、パトロンのメック婦人です。。メック婦人はチャイコフスキーの才能を高く評価し、金銭的に援助をしました。メック婦人とチャイコフスキーは手紙でのやりとりだけで、生涯会うことはありませんでした。メック婦人はチャイコフスキーに対して、恋愛感情があったとも言われています。

メック婦人は、結婚生活に苦しんでいたチャイコフスキーに休養のために、スイスにある別荘を貸します。その時に作曲したのが、このメロディです。
メロディは「懐かしい土地の思い出」という作品の中に入っていて、瞑想曲、スケルツォ、そして三番目の曲がメロディになります。

チャイコフスキーのメロディ楽譜。ペテルブルグで購入
ペテルブルグの出版社のメロディの楽譜。

別名チャイコフスキーのメロディともいわれる作品は本当に綺麗です。
こんなにシンプルなのに、綺麗と思わせる曲はなかなかないと思います。
無駄な物をすべて排除していて、決して派手さはありませんが、心に残る曲です。
作曲者が精神的に苦しんだからこその、研ぎ澄まされた旋律だと思います。

特に好きなところは最後。ゆっくりな曲は最後の音符が長いことが多いのですが、この曲は他の曲に比べて短いです。それが逆に印象に残ります。 美しいメロデイだからといって名残惜しむように長い音符にしないところが、とてもはかない感じで好きです。

チャイコフスキーのメロディの楽譜。
最後のミの音は四分音符。1つ数えます。
チャイコフスキーのメロディ

でもこの曲、やさしそうに見えて、本当に難しいです。チャイコフスキーはヴァイオリンが弾けなかったようで、ヴァイオリンで弾きやすいようには作曲されていないからです。
彼が作曲したヴァイオリンのコンチェルトは偉大なヴァイオリニスト、アウワーに「演奏不可能」と言われてしまったほど。コンチェルトほどではありませんが弾きにくいです。
でも弾きにくくても、弾きたいと思わせるような作品です。
そのくらいの素晴らしい作品です。

バイオリン講師 澤井亜衣

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