私の中でのロシアとウクライナ

ロシアの隣国ウクライナ。

ウクライナにも有名な音楽学校があり、バレエも盛んです。日本にもバレエ団が時々来日しています。サンクトペテルブルグに住んでいた時は、ウクライナ語で書かれた食品をたまに買っていましたが、ロシア語と文字は似ているものの読めなかったので、やっぱり国が違うんだなあと思った記憶があります。民族衣装がとても華やかで鮮やかで、赤カブのスープ、ボルシチはウクライナ発祥と聞いたことがあります。

高校時代にお世話になった先生はウクライナのオデッサ生まれで、モスクワで教えていました。とてもステキな先生で、バイオリニストのオイストラフとピアニストのホロヴィッツもウクライナ生まれのことを誇りに思っていました。

私はサンクトペテルブルグで音楽院の寮に住んでいましたが、斜め前の部屋にウクライナ出身のリューダちゃんも住んでいました。外国人寮だったので、ロシア語をペラペラに話すリューダちゃんがなんで外国人寮なのか私には不思議でしたが、そっか、今はウクライナで旧ソ連だからということでした。でもロシア語ペラペラのリューダちゃんはロシア人と同じ授業を受けていました。そっか、ウクライナは旧ソ連だからかということでした。

島国である日本生まれの私にとって、この隣国の複雑性の感覚はなく、どのような感情なのか想像がしづらいものですが、この出来事は私の中でうまく消化できなかったことを覚えています。

色んな国から音楽を学びたい一心でサンクトペテルブルグ音楽院に留学しています。

仲が悪い国、良い国と正直ありますが、そんなこと関係なく、音楽好き仲間が集まって皆んなで支え合って生活をしていました。おかげで私は5年間住むことができました。

学生時代、戦争の恐ろしさはサンクトペテルブルグ出身のロシア語の先生からも教わりました。

先日、サンクトペテルブルグで戦争反対のデモが起きました。たぶんネフスキー通り付近だと思います。1番観光で訪れる人が多い通りです。そこが、デモに参加するロシア人と拘束する警察官でビッシリになっていて、どうしようもない気持ちになりました。

ウクライナ民間人犠牲者が日に日に増え、とても心が痛みます。

1日でも早く平和な日常が送れることを願っています。

私の中でのロシアとウクライナ

バイオリン講師 澤井亜衣