CMにもよく使用されるダッタン人の踊りをバイオリンで弾いて載せました。

私がボロディン作曲のダッタン人の踊りを知ったのはあるCMです。

それは、日清のカップヌードルの欧風チーズカレー味のCMです。チーズ星人がチーチー歌うというものです。こんな感じです。

森の中で歌うチーズ星人。

チーチー歌うチーズ星人も強烈な印象でしたが、曲の名前を知らなくても、キレイな曲なので、チーチー口ずさんでいました。

後にロシア人作曲家のボロディンが作曲したオペラ「イーゴリ公」のダッタン人の踊りだということがわかりました。このオペラは12世紀末の叙事詩を基にしたものです。イーゴリ公が敵の捕虜となるのですが、後に客人として扱われることになり、イーゴリ公に楽しんでもらうため歌われるのがダッタン人の踊りです。

ロシアのオペラの特徴は上演時間が長いことです。イーゴリ公も約3時間半。ロシア語でもあり、出演者も多いので日本で上演されることは少ないです。しかし、ダッタン人の踊りはとても有名でオーケストラの編成などで演奏されます。

ロシアで上演されたイーゴリ公を観たのですが、衣装も豪華で、バレエや合唱などの大人数でのオペラは大迫力でした。このオペラが観れたことはとても貴重な経験になりました。

マリインスキー劇場のイーゴリ公

作曲家ボロディンは、ペテルブルクで生活をしていました。医者でもあるボロディン(二足のわらじの作曲家は結構います)は休日しか作曲できず、作品は少ないです。何とも言えない独特な重なる音の響きはヨーロッパとは違い、親近感を感じることさえあります。これがロシアっぽい感じです。説明が難しいのですが、いい意味で素朴で洗練されていなくて、感情が剥き出しの状態だと勝手に思っています。

今回はダッタン人の踊りを私がピアノ伴奏弾いて録音し、それに合わせてバイオリンで弾いてみました。この曲へ思い入れが強すぎて、できるだけオリジナルに近く弾きたいと思い、アレンジしてみました。

少し野性的で、田舎っぽくて、民族っぽい音楽が、森の中で歌うのチーズ星人にピッタリです!

バイオリン講師 澤井亜衣