ロシアのピロシキ、日本のピロシキ。
ロシア料理にピロシキという食べ物があります。日本でもパン屋さんなどで見かけた方もいらっしゃるかと思いますが、簡単に説明すると、パン生地の中に具が入っている、いわゆるお総菜パンです。
このピロシキですが、本場ロシアで食べるピロシキと日本で食べるピロシキはかなり違います。ロシア語でピロシキは「пирожки」(複数形)と書き、発音はピラシキーと最後をのばして発音します。ロシア語は単数形と複数形があり、単数形の場合、ピロシキは「пиражок」ピラジョークと発音します。
ロシアのピロシキと日本のピロシキは何が違うか?
春雨は入っていません!
どこのパン屋でピロシキを食べても何故か春雨が入っているのですが、おそらく日本風にアレンジしたのではないかと思われます。
そして、ピロシキの生地は日本では油で揚げていますが、ロシア(サンクトペテルブルク)では揚げずにオーブンで焼きます。
これは、地域によって違うようです。私が住んでいたサンクトペテルブルグはヨーロッパ側だったので、パン生地がオーブンで焼いた物だったのですが、シベリア側の方は、油で揚げるそうです。
サンクトペテルブルグでは油で揚げたピロシキを売っているのを見たことがありませんでした。日本で売られているピロシキはシベリア側から伝わったのかもしれません。(私の勝手な憶測ですが。)
ピロシキはカフェや屋台、音楽院の食堂、美術館等の軽食が食べられる場所などで売られています。ロシア人は小腹が空いた時や、ランチにスープやサラダなどと一緒に食べます。
そして、日本で売られているピロシキは一種類で具材はひき肉ですが、ロシアでは色々な具材のピロシキが売られています。中身はお肉はもちろんのこと、お米、キャベツ、卵、キノコなどがあります。甘いピロシキもあり、リンゴが入っているものもあります。私は甘い物が好きなので、リンゴのピロシキをよく食べていました。キャベツ入りのお総菜パンは珍しいですし、炒めたキャベツが入ったピロシキは甘みがあるのでオススメです。
カフェに入るとパン屋さんみたいに色々なピロシキが並んでいるので、「~入りのピロシキ下さい。」というと、店員さんがお皿にのっけて出してくれます。
ロシアでは、パイやピロシキなどのお総菜パンがたくさん売られており、ロシア人は大好きでよく食べます。
日本で売られているピロシキに近いロシアのお惣菜パンがあります。ベリャーシ「беляш」というもので、揚げたパン生地の中にお肉が入っているパンです。少し油っこいですが、美味しいです。カフェでもよく見かけるので、ロシアに行く機会がありましたら、色々なお総菜パンを食べ比べてみて下さい。
バイオリン講師 澤井亜衣