なかなか手強い、ロシアの蚊「камар」

今回は蚊について書いていきたいと思います。ロシアにも蚊がいます。刺されると日本の蚊より痒いのでやっかいです。
ロシアの蚊は、少し大きく、色は、

茶色です!

ロシアは5、6月がとても穏やかで、いい気候なので、窓を開けたくなります。しかし、その時期に蚊が発生します。

ペテルブルグは都市ではありますが、運河があったり、オゼルキー「озерки」という湖を意味する駅があったりと、勝手に思っているだけかもしれませんが、蚊は多いのではないかと思います。

私はロシアの蚊には、苦い思い出があります。留学して初めて初夏を迎えた頃、蚊の存在を知らず、あまりにいいお天気だったので、寮の窓(音楽院の寮に住んでいました)を開けて過ごしていました。窓は寒さを凌ぐため、二重窓になっており、外側の小さい窓には網戸が張られていました。私はその小さい窓を開けて日中過ごし、夜は気温が下がるのと、治安の事も考えて閉じて寝ることにしました。

ベッドに入ってから数時間したら、

ブ~ン、ブ~ン

と蚊がいることが発覚!網戸は張ってあったにもかかわらず、とても古い寮なので、隙間から侵入してきたのです。虫が苦手な私は捕まえる気にならず、無視して寝ようとしましたが、かなりうるさかったので寝られません。明日寝不足になって、ボーッとしてパスポートを盗られたらどうしよう。(パスポートは外国人は警察に呼び止められることがあるため、外出する際は必ず持ち歩きます)という不安が過ぎり、起き上がって捕まえることにしました。

最初はかなり苦戦しましたが、何とか捕まえてホッとして、また寝ると、耳元でブ〜ンと囁きだしました。なので、また起き上がって蚊を捕まえました。その作業を夜明けに3回ほど繰り返し、その日に捕まえた蚊はなんと8匹。(部屋は5畳くらいの大きさです)でも、何とか眠ることができ、次の日も無事に過ごすことができました。人間いざとなったら、嫌なこともするもんなんだなと思った出来事でした。少し大げさですが。

その話を先輩にしたら、コンセントに挿すと蚊が寄ってこない商品があるということ。日本だとベーブのような物です。速攻買いに行った事を覚えています。かなり効果がありました。緑の液体でしたが、かなりの香料のにおいがするので、どんな薬品を使っているのかわかりません。身体に悪いかもしれないと、2回目はセンシティブと書かれたピンクの液体の商品を購入しました。(それでも結構におうのですが)色んな種類の蚊を撃退する商品はたくさんあるので、夏場はこういう商品に頼ることをオススメします。

ロシア人にとって蚊は身近なのかもしれません。ロシアの民族楽器で結成されているオーケストラを聴きに行った時、題名は忘れましたが、蚊をテーマにした曲を聴いたことがあります。蚊が飛んでいるような音を民族楽器で演奏していました。その演奏を聴いた時は寮の出来事を想像してしまいました。色んなことや物を音楽で表現することができる可能性を改めて感じた瞬間でした。

蚊以外はロシアの夏は過ごしやすいです。ロシアの夏はオススメです。

バイオリン講師 澤井亜衣