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今回、ロシアのバレエ音楽と、グラズノフについて書いていきたいのですが、文章がまとまらなさそうなので、グラズノフだけに絞って書いていきたいと思います。

グラズノフはサンクトペテルブルグ生まれの作曲家で、音楽院でも教えていました。教え子の中にはショスタコーヴィチもいます。音楽院は現在に至るまで優秀な作曲家を輩出しており、私が在籍していた頃もショスタコーヴィチの愛弟子のティーシェンコや、主任教授のスロニムスキー先生の下で学びたい学生達が世界各国からやってきていたので、作曲科のレベルは高かったように思います。

音楽院の大ホールはグラズノフホールとも呼ばれ、実技試験だけではなく、コンサートも行われていました。
卒業式もここで行われます。
大ホールのロビーには、展示品が飾られ、音楽院が所有する音楽家の資料を見ることができます。展示品は年に数回入れ替わり、グラズノフ関連の資料も見ることができます。

バイオリン曲が少ないグラズノフですが、とても色彩豊かな作品でロシアらしい深味のある作品で美しいです。
グラズノフのバイオリンコンチェルトはサンクトペテルブルグ音楽院で教えていた、アウワーが初演しています。

そして今回演奏したライモンダのグランドアダージョはもともとバレエの曲ですが、シンバリストによってピアノとバイオリンに編曲されています。ハイフェッツ、アウワー、モストラス、シェルなどロシア人のバイオリニスト達がこうして編曲してくれるので大編成でなくても弾けるのは嬉しいです。

グラズノフのバイオリン曲を弾いていると(瞑想曲、コンチェルト、ライモンダも含め)なぜか共通して濃い紫色が頭に浮かびます。最初からG線(低い音)から始まり、どろどろしているからなのでしょうか。私は色を想像したりして弾くことはあまりないのですが、なぜかグラズノフだけは私の中で濃い紫色なのです。

バイオリン講師 澤井亜衣

音楽に関する書籍を読んだり、資料を見たりしていると、たまにデザイナーの名前を見かけます。

クリスチャン・ディオールはプーランクという才能のある作曲家がいたから、作曲家にならなかったとか、
イヴ・サンローランがオペラ座の衣装を手掛けている写真をみたり、、、。

ロシアの作曲家イーゴリ・ストラヴィンスキーもシャネルに支援を受けながら活動をしていました。そこからシャネルという人物に興味を持ちはじめ、シャネルに関する本を数冊読み、シャネルの好きだった小説、椿姫も読み、(シャネルのカメリアはここからとも言われています。)そして、シャネルに関する本から、ストラヴィンスキーの関係性(ストラヴィンスキーの熱烈な片思い、あるいは短い期間恋人同士だった。)とロシアの関係性を知ることができました。

シャネルはロシア人の恋人のファッションや民族衣装からインスピレーションを受け数々の作品を生み出します。
ファッション界で成功を収めたシャネルは膨大な資産で芸術家を支援することに喜びを感じていたのです。

ストラヴィンスキーだけではなく、バレエ界のディアギレフにも支援していますし、画家、詩人たちにも支援していました。何にお金を使うのか?何に価値を見いだすのか?シャネルの支援は人柄が出ていると思います。

そのシャネルの意思を受け継ぎ、現在もシャネルは若手演奏家にコンサートの機会を設けるなど、芸術家の支援を行っています。銀座のシャネルのネクサスホールに何回か行きましたが、若手演奏家からパワーをもらえます。

シャネルのNo.5の香水は今年で100年だそうです。香りが100年残ることもすごいことですが、シャネルの生き様が100年経っても新鮮で、憧れてしまうことがもっとすごいと思うのです。

バイオリン講師 澤井亜衣


ロシアはコンデンスミルクは2種類?あるようです。

コンデンスミルクはスーパーで、パックになっていたり、缶詰になっていたりして売っています。
かなりの量で売られているので、ロシア人のコンデンスミルクの消費量はかなり多いと思います。

私はコンデンスミルクが好きなのでロシアで一番量の少ないパックに入っていたものを購入していました。日本のように容器が工夫されていないので、保存に困った記憶があります。

ロシア風クレープ(ブリヌィ)にコンデンスミルクをかけて食べることが好きで、クレープ屋さんに行っては、コンデンスミルクがけのクレープ注文していました。ロシア風クレープはスーパーでも冷凍食品売り場に並んでいます。

私はスーパーでコンデンスミルク入りのクレープを見つけたので、購入したことがあります。家に帰ってチンして食べて、中から出てきたのはコンデンスミルクの白ではなく、ドロドロした茶色のソース。しかもやたらと甘い。あれ?っと思ってもう一度パッケージを確認するとやはりコンデンスミルクと書かれてあり、何がなんだかわからず、、、。

のちにわかるのですが、ドロドロした茶色のソース焦がしコンデンスミルクだったのです。なるほど、それなら納得。普通のコンデンスミルクより甘いです。

この焦がしコンデンスミルクは、クルミの形をしたロシアのクッキーみたいなお菓子の中にも入っています。
このお菓子は、リスが持っているようなコロコロした可愛らしい形をしており、スーパーやお菓子屋さんに売っています。

どうやらおばあちゃん世代はこのお菓子を焼く器械を持っており、家で作るようです。
今はあまり作る人はいないようですが、料理番組の動画で作り方をみたことがあります。

コンデンスミルクがクルミ型のお菓子の話にずれましたが、とにかく甘い物が大好きなロシア人です。

バイオリン講師 澤井亜衣