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新しいバイオリン教本2巻を勉強している時にノクターンを練習していたはずなのですが、あまり記憶にないです。でも、鉛筆でしっかりと先生の注意が書かれているので、やっているのですが、、、。

でも不思議なもので、生徒さん達のノクターンのレッスンをしていると過去の記憶がよみがえります。ただ楽譜をみたり、音楽を聴いたりするだけでは記憶は思い出せず、生徒さん達と一緒にノクターンについて語ったり、自身が演奏することによって思い出します。ノクターンに限らず、他の曲もです。音楽を演奏するって記憶を呼び起こすこともできるのかと、何回も弾く曲については感じているところです。

それで勉強しているときに思っていたことを思い出したのですが、メンデルスゾーンさんには申し訳ないのですが、ノクターンのメロディがわかりづらいということ。もともとバイオリン曲ではなく、「真夏の世の夢」というシェイクスピアの戯曲をもとにした劇付随音楽です。ノクターンの部分は管楽器がメロディーを演奏しています。ゆっくりな曲だと初心者はとても弾きづらく、何を弾いているのかが自分自身でわからりづらいです。私もそんな風に思っていたことを思い出しました。そしたら、生徒さんからも、この曲わかりづらいという声がありました。やはり思うことは皆同じなんだなと思いました。わかりづらいので、音源を載せてみることにしました。中々、教本の音源はないので、少ない音源の1つとして参考にしていただけると幸いです。

私が思う良い演奏家は、お客さんがこの曲いい曲だなと思うような演奏をしている人だと思います。それから、演奏会を聴いている時に、この時間が終わってほしくないなと思うような演奏をする人。色々な考え方がありますし、私も考えが今後変わるかもしれませんが、これが今の考え方です。

バイオリン講師 澤井亜衣

半沢直樹のテーマを載せたいと思います。

半沢直樹のテーマを作曲した服部隆之さんは大河ドラマの真田丸も作曲しています。どちらも主演は堺雅人さんでした。真田丸の曲はバイオリンがメインでしたのでバイオリニスト三浦文彰さんが演奏されていました。ちなみに服部隆之さんのお嬢さんも有名なバイオリニストで服部百音さんです。

服部隆之さんの作品は迫力があり、勇ましいです。

半沢直樹のテーマはオリジナルは、バイオリンではありませんが、バイオリンソロで録音しました。意外とバイオリンソロでも迫力が出る?ような気がします。ドラマだと最後までじっくり聴くことはないので、こんな曲だったんだなと弾いて思いました。CM曲やドラマ、映画音楽の曲は全体を聴くことがないので、楽譜を見て全部を知ることが多いです。1番低い弦G線で弾き始めるのですが、深みがしっかりでる弦なので、感情が出しやすいと思います。この曲の場合、怒りなのでしょうか。この曲弾く時、結構険しい顔になっていました。笑顔でこの曲弾けるのかな?曲調と表情は基本演奏する時同じような感じになってます。

バイオリン講師 澤井亜衣

ロシアにはロシアの教材があります。驚いたことは、バイオリンの導入の教材がたくさんあること。どれも楽しそうで、こんな教材だったら小さい頃ちゃんとやったのに。というものばかりでした。本当によくできているし、数もたくさんあるから、選ぶことができます。

私は4年生の時に教授法という授業を受けていました。教授法の授業は弦楽器の学生だけで受けるので、先生はバイオリンを普段から教えているヤクボスカヤ先生。小さい子供達をたくさん教えている先生でした。教授法では、生徒との接し方、教材の事、教え方などを学びます。実際に先生のレッスン風景を見学することもありました。

先生は楽譜を出版しており、その楽譜をたまに授業で使用していました。自分が作曲したオリジナルものからロシア民謡、クラシックなどなど。とてもわかりやすい教材なので私も購入しました。

とても熱心な先生で、楽譜を留学生達に持ち帰って母国語に訳して出版してもいいといってくださったことを今でも覚えています。

ロシアのバイオリンの楽譜
ヤクボフスカヤ先生の楽譜
ロシアのバイオリンの楽譜

この教材も含めて、ロシアの音楽教育で素晴らしいことは大人の世界(嘘っぽくなりますが、本物の世界)が子供の頃から、初めて楽器を触れた時でもプロっぽい体験(また嘘くさい感じですが)できると思います。

例えば、今回音源にした楽譜は秋の雨という曲はイタリア語ではないものの、どのように弾いて欲しいか、生徒が弾く初めての楽譜でも、ちゃんと表記があり、親しみやすいようにオノマトペまで書いてあり(ロシアの雨の音は、カプ、カプ кап кап)ピアノ伴奏までちゃんとある。

でも!!!!

バイオリンはレの音だけ。0の指で弾けるので、指で押さえることなく簡単ですが、ただ一人でレの音を弾いているだけでは何が何だかよくわからないし、つまらない。レの音だけでは音楽に聴こえないかもしれない。ピアノ伴奏のハーモニーにより、あたかもバイオリニストになったかのような、上手に弾けているような気分に小さい子ならなるはず。そんな体験ができる楽譜があることに衝撃を受けました。

その秋の雨という曲がこちら。

雨なので、子供達でもわかりやすい。そして言葉を通して音楽に繋げていくのが素晴らしいと思います。

先生は色々なアドバイスも下さり、日本の教育の話なども興味を示してくれて、とても優しい素敵な先生でした。

バイオリン講師 澤井亜衣