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ジューンブライドに憧れて、6月に結婚式を挙げる方も多いと思います。

ロシアも冬に比べて夏に結婚式を挙げる人達が非常に多いです。この時期になると街中でウェディングドレスを着ている女性たちをよく目にします。なぜなら、白いリムジンに乗って、サンクトペテルブルクの観光名所の前で新郎新婦が写真を撮るからです。あまりに長い白いリムジンのせいで、道を通ることができないなんてこともあります。

運河やイサク寺院、像の前やエルミタージュなどなど、この時期にロシア観光に行った方は花嫁さんを見かけた方、多いのではないでしょうか。

サンクトペテルブルグのイサク寺院
イサク寺院。こういう所で写真を撮ってます。

ペテルブルク市内にはウェディングドレス屋さんが多いような気がしました。オフホワイトよりは真っ白なウェディングドレスを着ている花嫁さん達が多かったです。

ロシア人は比較的、若くして結婚する人達が多いです。私のアンサンブルの先生も学生結婚し、妊娠しても学校に通っていたようです。学生結婚をしている友達も何組か知っています。音楽院の学生は勉強と音楽の仕事(オーケストラの団員や音楽講師など、すでに自立している人が多いです。)を両立しているので、早く結婚するのかもしれません。

ロシアでは右手の薬指に結婚指輪をはめています。

ロシア人は写真好きで自分がどんな風にすれば素敵に見えるかよく知っています。おそらく結婚式のアルバムはどのカップルを見ても素敵な写真になっているはずです。

バイオリン講師 澤井亜衣

先生から最初にいただいた課題曲はブラームスのバイオリンコンチェルトでした。20歳の誕生日にブラームスのバイオリンコンチェルトを試験で弾くことになったりと、思い入れのある曲です。

力強いブラームスのバイオリンコンチェルトの1楽章の演奏時間は20分以上。4大バイオリンコンチェルトの一つで激しくもあり、男性的な作品で体力が必要です。

ヌヴーの演奏は名演です!

レッスンが中盤になってくると、先生も指導がさらにヒートアップし、座りながらアドバイスしているのが、私に近寄ってきて一緒にブラームスを暗譜で弾き出します。先生が力強い音で弾くので、私の音は掻き消されてしまうくらいです。教室は二重とびらになっているのですが、廊下まで聴こえていたらしいです。しかも先生の音だけ。当時、私は19歳。先生は70歳越え。私の方が体力があるはずなのに、本当に力強い音で素晴らしい演奏をいつもレッスンでしてくださっていました。

たまたまこの時期に、バイオリニストのシュロモ・ミンツがペテルブルクにやってきて、ブラームスのバイオリンコンチェルトの演奏会がありました。聴きに行きたかったのですが、残念ながら私は機会を逃してしまいました。どうやら先生とシュロモ・ミンツは知り合いのようで、学校で演奏会の数日前に会話をしていました。

シュロモ・ミンツの演奏会が終わった翌日、レッスンに行くと教室からブラームスのバイオリンコンチェルトの音が聞こえてきました。ドアを開けると、なんと先生が練習していたのです。

この光景をみて、凄まじい向上心だなと思いました。こんなにすごいバイオリンが弾けるのに、まだまだ練習するのかと。常に努力をされていらっしゃるんだなと。

先生には大変失礼ですが、普段はオーラはないです。清掃のオッチャンに間違えられたくらいです。でも、バイオリンを弾く時はシャキッとしてキラッとしています。そういうところ先生らしいなと思います。

バイオリン講師 澤井亜衣

ロシアは冬のイメージが強いですが、夏ももちろんあります。当時はクーラーは公共の交通機関や、カフェやアパートにもありませんでした。日差しがとても強くて暑いので、薄着で外出していました。体感温度は40度近くにまでなることもあります。とにかくロシアの夏は暑いです。

今回はロシアで夏を感じるものを紹介していきたいと思います。

まずは飲み物。夏はクワスという発酵性果実飲料飲が路上で売っています。それからビールも路上で売られています。この時期は外でお酒を飲む人が増えます。クワスが入った樽や、ビールの名前のバルチカと書いてあるテントが張られると夏だなあと感じます。

それから、胡瓜魚という魚が露店で売っています。この時期になるとペテルブルク近くで獲れるみたいです。胡瓜のような臭いがするから胡瓜魚らしいのですが、実際は違います。普通の魚の臭いです。夏になると生臭い臭いが道を歩いていると漂ってきます。ロシア人はこれを酢漬けにします。

それから、スイカ屋さんです。スイカだけ売っています。これも見られるのは夏だけです。2メートルくらいある鳥籠のような籠の中にラグビーボールみたいなスイカが積みあげられて売られています。スイカは量り売りで購入できます。基本ロシアは野菜や果物は量り売りです。

ロシアでは冷たい飲み物に氷が入っていません。もし氷入りが欲しい時は「氷入れて下さい」と言わないと入ってきません。氷入りだとお腹を冷やすから飲まないと聞いたことがあります。

夏になると、冷たい飲み物を飲んでいる人が増えますが、氷なしの人達がほとんど。これも夏の風物詩?なのかもしれないです。

バイオリン講師 澤井亜衣

ロシアで、たいていのクラシック作曲家は日本語の発音で通じるのですが、この作曲家だけはどうしても伝わりません。

それがハイドンです。

ハイドンはオーストラリアの作曲家で交響曲を数多く残しています。交響曲の「時計」や「驚愕」などが有名です。交響曲の父と呼ばれています。

ハイドンはロシア文字で書くとこうなります。

гайдн

この最初の文字「г」はアルファベットの「ゲー」で、フィギュアスケーターのエフゲニープルシェンコ選手の「ゲ」や、アニメ「チェブラーシカ」に出てくるワニの「ゲーナ」の「ゲ」がこの文字です。

ではハイドンを何と発音するのか?ガイドンです。「ハ」と「ガ」では、さすがに似てないので全く伝わらないです。

ロシアにはハの発音がないので、「ハリー・ポッター」も「ガリー」となり、ハリー・ポッターのメガネの容姿からは想像つかないような、いかつい感じになります。

ちなみに私の名前は「さわいあい」ですが、「さわい」の発音は「サヴァイ」となり、「あい」はロシア語で書くと下の写真のようになり、まるで携帯会社のよう。

ロシア語 

きっと外国人の方も、日本にはない発音が名前に入っていたりするんだろうな。と思います。

バイオリン講師 澤井亜衣

ロシアで生活をしていて、とても不便だったことはこの時期になると寮のお湯が出なくなるということです。お水はでます。

ペテルブルクの街全体でお湯が出なくなるのですが、湯沸器など設備がある家やホテルなどは使用できます。しかし寮にはそういう設備がなく、約1ヶ月間シャワーを浴びる事ができません。

理由は、冬のボイラーが動かないことがないよう点検のためとか、職人さんの夏休みとか聞いたことがありますが、本当はどうなんでしょうか???

このことは、留学する前から知っていましたが、実際に体験すると本当に辛すぎました…

この期間になると1階にあるシャワー室にお湯は出ません。と張り紙がされ、シャワー室のドアの鍵がかかります。これが突然やってくるのです。お湯が出ない期間が書いてあるのですが、いつもその期限より延長されるのは確実でした。シャワーが利用できないまま、夏休みになると日本に帰国していました。

ロシアの5月は日差しも強くて結構暑いので、汗もかきますし、乾燥もしていたり、排気ガスなどで埃っぽいです。しかも6月に試験があるのでナイーブになっている時にシャワーを浴びる事ができないのは、睡眠不足になったりと大変でした。

この期間私はどうしていたかというと、いつもより早く朝6時に起床します。(朝、夜は結構寒いです。なので水で体を洗うのは辛いです。)そして、共同のキッチン(早く起きないとみんなが使うので)でやかんと鍋とフライパンでお湯を沸かします。そして、沸騰したお湯とお水を、バケツとオケとペットボトルの容器で混ぜながらちょうどいい温度にして身体や頭を部屋で洗うのです。この時期はリンスインシャンプーに切り替えることでお湯を節約していました。しっかり洗えないので、髪の毛がかなり抜けました。

この時期、二回ほど友人のアパートでお風呂を借りたことがありました。何と幸せでありがたかったことか!あんなにお湯のありがたみを感じたことはなかったです。

お湯のでない時期は確実に延長されるのですが、もしかしたら!と思い、お湯が出るとされる予定日からは、毎日シャワー室に行って確認していました。でも毎回ドアノブが動かないのでいつも落胆して自分の部屋に戻っていました。期待を持って触っていた、ゴツゴツしていたシャワー室のドアノブ。あのドアノブは鍵がかかっていなくても開けづらかったな。

バイオリン講師 澤井亜衣

カッチーニのアベマリアはシューベルト、グノーに並ぶ3大アベマリアの一つです。アヴェマリアとはマリアを賛美する曲です。

前にもブログに綴りましたが、本当はカッチーニではなく、作曲したのはヴァヴィロフというロシア人作曲家がカッチーニの様な作風で作曲しました。

ずっしりと重くのしかかるこの音楽はロシア音楽らしく、ズーンと心に入っていきます。

下の写真はラフマニノフの故郷ノブゴラドで購入したイコンです。ノブゴラドは歴史があり、ノブゴラドで観たイコンもかなり古い時代の物で、とても歴史が感じられました。

ロシア人のほとんどはロシア正教の信者です。ロシア正教会にはキリスト像ではなく、イコンが飾られています。ヴァヴィロフも信者だったかもしれません。

イコン

今回はカッチーニのアヴェマリアをバイオリンとピアノ伴奏で演奏してみました。相変わらずピアノ伴奏はダッタン人の踊りの時のように、私が弾いて録音したものです。

アヴェマリアについて以前に書いたブログです。もし良かったらこちらもご覧下さい。

https://nota-violin-lesson.com/blog/?p=575

バイオリン講師 澤井亜衣

タイトルの通り、日本の音大にはあるのに、ロシアの音楽院にはないものがあります。

それは生徒専用の練習室です。

ほとんどの日本の音楽大学にはあるのではないでしょうか?日本では、授業の空き時間、授業の前後に使用します。部屋によってグランドピアノやアップライトピアノが置いてあり、無料で貸し出す大学もあれば、有料の大学もあります。

しかし、ロシアの音楽院には生徒専用の練習室がありません。私が通っていた時は授業をする部屋すら確保できない状況でした。ですから、ロシア語の授業は寮に先生が来てくださっていたので寮で受け、和声と聴音は音楽院の付属学校で受けていました。さらに部屋がない時は廊下で授業なんてこともありました。

少し話がズレましたが、生徒が練習するときはどこでするのか?という話。昼間は授業する部屋さえないので、できません。もし自分の楽器があれば廊下とかで弾いていたりする人はいますが、ピアノ専攻の生徒達は廊下にピアノはないのできません。

なので、アンサンブルとかピアノが弾きたい時は授業の前後に練習します。

音楽院は7時から開いているので大きな部屋やお気に入りのピアノがある場合は7時前から音楽院の前に並びます。(冬は寒いし真っ暗で辛いです)

だいたい9時くらいから授業が始まるので、練習できるのは2時間くらい。その間に調律師さんがピアノのメンテナンスをしにきます。調律師さんは毎日7時から9時の間に全部のピアノをチェックしています。

先生がきたら、そこで練習はできなくなります。夕方はいつ授業が終わるかわからないし、練習したい生徒が沢山いるので、授業の後の練習室の確保はあまり期待できないです。

音楽院が閉まるのはだいたい22時くらい。こんな環境の中、素晴らしい演奏家の卵がしっかり育つ理由が今でも不思議です。やる気さえあれば環境なんて二の次ということなんだろうな。

バイオリン講師 澤井亜衣

私がボロディン作曲のダッタン人の踊りを知ったのはあるCMです。

それは、日清のカップヌードルの欧風チーズカレー味のCMです。チーズ星人がチーチー歌うというものです。こんな感じです。

森の中で歌うチーズ星人。

チーチー歌うチーズ星人も強烈な印象でしたが、曲の名前を知らなくても、キレイな曲なので、チーチー口ずさんでいました。

後にロシア人作曲家のボロディンが作曲したオペラ「イーゴリ公」のダッタン人の踊りだということがわかりました。このオペラは12世紀末の叙事詩を基にしたものです。イーゴリ公が敵の捕虜となるのですが、後に客人として扱われることになり、イーゴリ公に楽しんでもらうため歌われるのがダッタン人の踊りです。

ロシアのオペラの特徴は上演時間が長いことです。イーゴリ公も約3時間半。ロシア語でもあり、出演者も多いので日本で上演されることは少ないです。しかし、ダッタン人の踊りはとても有名でオーケストラの編成などで演奏されます。

ロシアで上演されたイーゴリ公を観たのですが、衣装も豪華で、バレエや合唱などの大人数でのオペラは大迫力でした。このオペラが観れたことはとても貴重な経験になりました。

マリインスキー劇場のイーゴリ公

作曲家ボロディンは、ペテルブルクで生活をしていました。医者でもあるボロディン(二足のわらじの作曲家は結構います)は休日しか作曲できず、作品は少ないです。何とも言えない独特な重なる音の響きはヨーロッパとは違い、親近感を感じることさえあります。これがロシアっぽい感じです。説明が難しいのですが、いい意味で素朴で洗練されていなくて、感情が剥き出しの状態だと勝手に思っています。

今回はダッタン人の踊りを私がピアノ伴奏弾いて録音し、それに合わせてバイオリンで弾いてみました。この曲へ思い入れが強すぎて、できるだけオリジナルに近く弾きたいと思い、アレンジしてみました。

少し野性的で、田舎っぽくて、民族っぽい音楽が、森の中で歌うのチーズ星人にピッタリです!

バイオリン講師 澤井亜衣

私がロシア留学をしたのが2004年の2月から。ソビエトが崩壊して10年以上経っていましたが、やはり日本のように物が溢れているわけではありませんでした。

さすがに食べ物がないなんてことはありませんでしたが、種類が少なかったり、物が少なくて買えないことはありました。

住んでいた寮の近くのスーパーは小さかったので、必要最低限の物しか置いていませんでした。なので、学校が休みの時にマルシルートカ(乗り合いタクシー)や地下鉄に乗って大きなスーパーに買い出しに行くこともありました。

ここで、実際に利用していた大きなスーパー3つ紹介したいと思います。ある程度の土地が必要なので大きなスーパーは郊外にありました。

1つ目はレンタと言う24時間営業のスーパー。大きさはスーパーのコストコくらいでしょうか。ポイントカードを作るとかなり安く購入することができます。お土産のチョコレートやお酒などもレンタで購入していました。

2つ目のスーパーはオーケーです。23時くらいまでやっています。このスーパーもコストコくらいの大きさで、ポイントカードがあります。果物や乳製品など種類が多いスーパーでした。

3つ目はオーシャン。ここは地下鉄の終点にあり、駅から無料の送迎バスがあります。ここは本当に遠かったです。このスーパーは本当に大きいです。店員さんがローラースケートを履いて移動しているくらいなので。ここも沢山品物がありました。

大きなスーパーに行くと、色々な物や種類があり、本当にテンションが上がっていました。大きなスーパーに行くのは楽しみの一つでもありました。ロシアの大きなスーパーで、初めてナスを見た時は「ナ、ナ、ナスがあるー!!」と心の中で叫んでいました。本当に嬉しかったのです。

ロシア生活5年目には、小さなスーパーでも手に入るようになったナス。私が過ごした2004年〜2009年の間でずいぶんと便利になって、住みやすくなりました。

現在はもっと過ごしやすいのかもしれないです。

バイオリン講師 澤井亜衣

私がロシア留学を決めた一つの理由として、ロシア人が演奏するバイオリンが好きだからです。この演奏いいなあ。と思うとロシア人ばかりでした。小さい頃からその傾向があったようですが、自覚したのは高校生の時。さらにロシア人のヴァイオリニスト達にのめり込んでいきました。

ロシア人バイオリニストと言っても、時代や出身地、性格などで演奏スタイルは違いがあるとは思います。でも共通して言えることはとても表現力が豊かなことです。

今回はヤッシャ・ハイフェッツについて書いていきたいと思います。

サンクトペテルブルク音楽院で学んだ、ハイフェッツは現在のリトアニア生まれのバイオリニストです。音楽院の教室に飾ってある肖像画のアウワーに師事します。

小さい頃から天才と言われ、リサイタルも開きます。サンクトペテルブルクにあるフィルハーモニーのロビーに、10歳くらいの時のリサイタルのプログラムが展示されていたのですが、大人顔負けのプログラムでした。

音楽院の大ホールの壁には成績が優秀な人の名前が彫ってあり、その中にもハイフェッツの名前があります。

ハイフェッツの演奏の特徴は何と言ってもテンポの速さです。何でも速く弾く特徴があります。

それから、ハイフェッツは色んな楽器の曲をアレンジしていること。そのアレンジのセンスの良さは素晴らしく、ハイフェッツのアレンジによって有名になった曲もあります。

ハイフェッツがアレンジした楽譜とCD
ハイフェッツがアレンジした楽譜とCD

ハイフェッツはテンポの速さ、テクニックが注目されがちですが、表現が本当にスマートでセンスがあっで意外とゆっくりな曲が私はオススメです。なかなかあの音楽は真似しようと思っても真似できないです。表現の仕方にハッとさせられます。

中でも好きな曲はグラズノフの瞑想曲です。この曲は本当に難しいんです!音がブチブチ切れたり、音色が悪いと言われたり。でもハイフェッツが弾くとキレイな曲に聞こえます。

レコードのプツプツした音もいい味だしてます。

バイオリン講師 澤井亜衣