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次のレッスンまで少し時間があったのと小腹が空いたので、スープストックへ。
寒いのでスープを飲む頻度が増えています。

スープストックを利用するの時は、東京ボルシチを注文しますが、東京ボルシチがありませんでした。しかし、その代わりなのかロシアのスープ「ソリャンカ」солянкаがありました。発音はサリャンカの方がロシア人には通じると思います。おそらくсоの綴りで日本ではソになっているような感じがします。

トマトベースの酸っぱいスープ、「ソリャンカ」はロシアを代表するスープです。
カフェやレストラン、学食どこでも食べられる定番メニューです。もちろん家庭でも作ります。

私は「ボルシチ」より「ソリャンカ」の方が好きだったので「ソリャンカ」を注文しました。

スープストックのソリャンカ

ちょっと見た目はロシアのと違います。

写真では粉チーズですが、ロシアはサワークリームとディルがのっています。

食べてみると、トマトベースですが酸っぱさはあまり感じられず。
ピクルスやレモンがロシアのソリャンカだと入っているのですが、入っていませんでした。
ロシアではオリーブも入っています。(酸っぱさには関係なさそうですが)

ロシアの「ソリャンカ」だと思って食べてしまうと残念ですが、日本風「ソリャンカ」だと思えば美味しいスープでした。

ロシアでも日本料理屋さんに行くと辛いロール寿司などロシア風にアレンジされたお寿司がありました。
国によって味の好みが違うと改めて認識させられたスープ「ソリャンカ」でした。

バイオリン講師 澤井亜衣

バイオリンを習い始めの頃は音を間違えないようにとか、弾く事に精一杯であまり余裕はないかもしれませんが、2,3年習ってくると、余裕ができ、音楽の表現(強弱など)ができるようになってくると思います。

新しいバイオリン教本2巻に載っているザイツのバイオリンコンチェルトNo.2はちょうど音楽表現ができる様な頃に課題になる生徒さんが多いような気がします。

今回はザイツのバイオリンコンチェルトを使用してどういう風に曲を仕上げていくのか?その過程を書いていきたいと思います。

まずは最初はテンポをゆっくり、リズムと音程を確認していきます。
地味な作業ですが、丁寧に楽譜と向き合わないと変な癖をつけてしまいます。スラーも切ってます。その演奏がこちら。

そのあと、スラーやスタッカートを付けて練習します。

それから、楽譜の指示通りのテンポで。あとはどういう風に表現したらいいかとか考えます。

ちょっとずつテンポが上がってきました。

どういう風に表現したらいいのかということですが、とりあえずは楽譜に記載されていること(強弱、演奏法)を守って演奏します。作曲家の時代背景や作曲家のことを調べてみると、更に曲についてわかるってくるので、演奏法のヒントにもなります。あとは、演奏者の考えも付け加えていくとその人しかだせない味のある演奏になります。

演奏をする時、色、景色などを想像しながら演奏する方もいます。
私はこのザイツのコンチェルトはハツラツと楽しそうな感じなので、昔、岡山にあったチボリ公園のキャラクター(デンマークのおもちゃの兵隊さん)を想像して弾いてます。(何故だか思い浮かんだので)そのキャラクターがすんごい楽しんで綺麗な公園を散歩したり、ミニチュアの遊園地で観覧車に乗ったりしているのを想像しながら弾いてます。本当はデンマークにあるチボリ公園を想像したいのですが、行ったことないので、、、。ディズニーさんがディズニーランドを作る時にチボリ公園を参考にしたようなので、相当いい所なのでしょう。
いつか行ってみたいです。

チボリ公園のキャラクターを書いてみました。

ということで、チボリ公園を想像したザイツを全部を載せてみます。

色々考えながら、それを音で表現する。自分が思っているような音を出すことができた時はとても嬉しいです。そして演奏者が考えた音を聴くのもとても楽しいです。

生徒さん達はとても個性豊か。そこを壊さずバイオリンを指導していくのが私の理想です。
私の先生がそうでした。これが結構難しいです。

バイオリン講師 澤井亜衣

私がレッスンで、音の発音がハッキリせずモヤモヤした演奏だと、必ず先生は、

「не понял.」ニェ ポーニャル (わからなかった)

と言ってました。

「何を弾いているのかわからない。」というロシア語は何回弾いても言われることもしばしば。
私が悪いんで仕方ないですが、この言葉結構傷つきます。

こんな風に言われた時に練習する方法があります。

スラーがついていてモヤモヤする時は全部スラーを切って練習します。

逆にスラーが付いていない時はスラーを付けて練習します。
このパッセージでは1小節単位でスラーを付けるといいです。

ちなみにこの練習はますますモヤモヤしてくると思いますが、

スラーを切った時に楽に感じ以前よりハッキリできるようになります。

ロシアで習っていたオフチャリク先生から教わりました。
とても効果的なので、生徒さんがモヤモヤした音になってしまった時、この練習方法を勧めています。

是非お試しください。

このような家での練習方法などもレッスンでアドバイスしています。

体験レッスンも行っております。

ご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

バイオリン講師 澤井亜衣

以前、ヤマハと資生堂「クレ・ド・ポー」がコラボした企画のメイク講座を受講したことがあります。

資生堂 クレドポー
メイクレッスン
その時の資料

ヤマハも資生堂も本店が銀座にあるということで実現した企画でした。

「クレ・ド・ポー」のルージュの現品がお土産に付き、その現品のお値段で資生堂パーラーでワンドリンクサービスで講習会を受けられるという優雅な企画でした。

受けてみると、目から鱗で本当に役に立つことばかりでした。
ステージと言っても弾く場所の大きさ、光、どんな楽器を演奏するかによっても違うヘアメイクについて的確な言葉とお手本を見せてくださりました。

メイク講座で、隣だった女性はフルーティストで口紅がつけられないと悩んでいましたが、目を強調させるメイクを提案してくれてとても満足そうでした。バイオリン奏者には、弾いている最中、伏し目がちになるので、アイシャドウの幅を広げたり、ラメを沢山のせるアドバイスをいただき本当に貴重な経験になりました。

今年で資生堂は150周年。そして資生堂のブランド「クレ・ド・ポー」は40周年なんだそうです。

この前、化粧品売り場を通ったら、こんなパンフレットが目に留まりました。

クレドポーボーテ
フェイスカラー

メイク講座を受けたときにもあった、フェイスカラー「ル・レオスールデクラ」。先輩も楽屋でつけていて、ずっと欲しいなあと思っていました。今年7月にリニューアルしたらしいです。ステージでは、顔だけじゃなくてデコルテや腕に付けるといいです。とメイク講座の時に教えていただきずっと気になっていました。

そしてついに買いました。それがこちらです。

クレドポーボーテ ケース 
ケースも素敵ですが、
クレ・ド・ポー
中身も素敵です。香りもいいです。

色も沢山あるので悩んでしまいましたが、たまたまヘアメイクアップアーティストの方がいらして(月1回程度お店にいるそうです)色選んでくれて、日常使いとステージでの使い方を丁寧に教えていただきました。しかもメモまでしていただきました。

美容部員さんと2人がかりでカウンセリングありがとうございます。

メイクアップメモ

使用してみるととても綺麗に均一にキラキラしてます。
ブラシも柔らかです。

「こんなことより、演奏じゃないか!」と思う方もいるかもしれませんが、ある程度の身だしなみ、お客様に楽しんでいただく為、そして自分も気持ちを高めることは大事なことかなと私は思います。
私が以前習っていた先生は「せめてドレスだけでもお客様に喜んでもらいたい」とおっしゃっていました。そうは言ってもしっかりとコンサートに向け準備されていた先生でしたけど。

ということで、今回はヘアメイクの話だったので、フルメイクのユリア・フィッシャーの動画を載せました。

サラサーテの「カルメン幻想曲」を演奏ということで、赤いドレスに赤い口紅、野外ステージなので、風とかを考慮?してハーフアップ。ユリア・フィッシャーはナチュラルメイクが多いですが、会場が広いからかフルメイクでした。結構激しく弾いていて、動くからなのかドレスが短めで、動くたびにドレスの裾が揺れとても素敵です。

もちろん、彼女の完璧なテクニックも見事です。

バイオリン講師 澤井亜衣

この時期はどこに行ってもクリスマスソングがかかっています。

ということで、今回はクリスマスングについて書いてみたいと思います。
紹介する曲「そりすべり」はもともとクリスマスソングではありません。
「そりすべり」の楽しさを表現した曲のようです。


私もクリスマスソングではない認識で冬のシーズンにずっとBGMとしてかけられるので便利です。とブログに紹介しようと思ったら、この曲は現代版「ジングル・ベル」的な存在なんだとか。 (いつも12月26日になるとお正月ソングになり、春の海など聴こえてくるので、お店の人レイアウトも変えて音楽も変えて大変だなと思っていたので、「そりすべり」を紹介しようと思ったのです。でも、クリスマスソングでした。)

「そりすべり」はルロイ・アンダーソンというアメリカの作曲家が作曲しました。

ルロイ・アンダーソン名前は聞いたことがなくても曲を聞けば、きっと「あー、この人が作曲してたのか!」と思う曲がいくつもあると思います。

ということで、2、3曲、少しだけ弾いてみます。

プリンク・プレンク・プランク
フィドル・ファドル
シンコペイテッド・クロック

知ってる曲あったでしょうか?

学生時代、ルロイ・アンダーソンの魅力にはまってしまい、ずっと聞いていた時期があります。
とにかく、色んな音が出てきて想像力を掻き立てられ、少し凹んでいてもユーモアたっぷりの音楽で元気になります。あと管楽器の良さがとても伝わって聴いてて飽きないです。

アンダーソンの経歴を見ていると、とても勉強熱心で、ジョルジェ・エネスク(ルーマニアのヴァイオリニストであり作曲家)にも習っていることもわかりました。
ポピュラーミュージックの作曲者といわれますが、クラシックっぽくも感じるのはしっかりと基礎を築いているからなのかも。言語も相当できたようです。おそらく頭脳明晰だったと思われます。

それでは、「そりすべり」お聴き下さい。

久しぶりに長い時間かけてアンダーソンのCDを聴きました。
楽しかったです!!

バイオリン講師 澤井亜衣

最近は韓国ブームでアイドルやヘアメイク、食品を日本でも多く見かけるようになりました。

アジア系バイオリニストは近年非常に増えており、レベルも高いですが、特に韓国人はとても個性的で情熱的なバイオリニストが多いと思います。バイオリンが単旋律でとても歌うことができる楽器のせいかピアノや他の楽器に比べて合っていると個人的には思います。

留学時代、韓国からやってきた留学生がたくさんいました。ロシアでもキムチを作って辛い物を食べ、
キリスト教信者の学生が多く、美容にもとても敏感。学歴に厳しい韓国では2つの音楽大学に行くのは当たり前。男子学生は兵役がある為、途中で休学をした友達もいましたし、国際コンクール入賞を果たせば兵役が免除になる為、コンクールを目指す子もいました。最近、BTSの兵役のことがニュースになっていました。

まず韓国人バイオリニストといえばチョン・キョンファ。
ズーカーマンとコンクールで優勝を果たし、世界的なヴァイオリニストになります。弟も素晴らしい指揮者チョン・ミョンフン。

キョンファの素晴らしい録音と言えばラロのスペイン交響曲。独特の音楽性は聴衆を魅了します。

サラ・チャンは韓国系アメリカ人。10歳でCDデビューしています。ふくよかな音色でダイナミックな演奏。疲れを感じさせません。

クララ=ジュミ・カンは韓国系ドイツ人です。
仙台国際コンクールで優勝しているので、日本でも知っている方、多いかもしれません。
テクニックはもちろん、彼女の艶やかな音色には惚れ惚れしてしまいます。

留学している時、同じ門下に韓国系ロシア人の女の子がいました。
音楽史の先生が彼女の演奏をとても気に入り、私の先生のオプチャリク先生にこう質問したそうです。

「彼女の楽器が良いから、ああいう音になるのですか?」
するとオフチャリク先生は、
「あれは彼女の持って生まれた音だ」と言ったそうです。音楽史の授業中に教えてくれました。

確かに彼女のラヴェルのツィガーヌは深い音で、演奏後、拍手が鳴り止みませんでした。
不思議な魅力を持つ韓国系バイオリニスト達です。

バイオリン講師 澤井亜衣

ロシア出身のソプラノ歌手、アンナ・ネトレプコがやってきます。

アンナ・ネトレプコ日本に来日

サンクトペテルブルグ音楽院の出身で、今では世界的なソプラノ歌手になりました。ソチオリンピックで歌っていたので、知ってる方は多いのではないのでしょうか?とても人気な歌手です。

サンクトペテルブルグ音楽院の目の前にマリンスキー劇場という主にオペラとバレエを上演する劇場があり、音楽院を優秀な成績で卒業した音楽家は、マリインスキー劇場の歌手として活躍している方が多いです。ここでソリストとして抜擢され、劇場の総責任者のゲルギエフに認められると、演奏旅行をする際に同行し、成功を収めると世界中で人気になります。美貌と実力を兼ね備えた方達が多く、アンナ・ネトレプコもその一人。私が留学していた頃でも世界ですでに人気でほぼロシアにおらず、特別な演奏会のみネトレプコが登場していました。同じ演目でもネトレプコが出る時と出ない時ではお値段がかなり違いました。

アンナ・ネトレプコ戦争と平和
プロコフィエフの「戦争と平和」のポストカード。

女優さんと言ってもいいくらい綺麗な方です。アンナ・ネトレプコの「戦争と平和」のナターシャ役には、かなりの定評がありました。

ロシアオペラはあまり日本では馴染みがないかもしれませんが、聴く価値はあると思います。
ということで、どんなものがおススメか書いてみました。

☆歴史好きな方におすすめ

・ボリス・ゴドノフ、イワン・スサーニン、セミョーン・カトコ、ホヴァンシチナ。

☆ロシア文学がお好きな方におすすめ

・エフゲニー・オネーギン、鼻、戦争と平和、スペードの女王。

☆幻想的で華やかで、わかりやすいのがいい方におすすめ。

・サトコ、雪娘、ルスランとリュドミラ、イーゴリ公

☆現代音楽や奇抜さを求める方におすすめ。

・3つのオレンジへ恋、鼻、ムツェンスク群のマクベス夫人。

☆オペラにあるよくありがちなドロドロな恋愛ものを観たい方におすすめ。

・ムツェンスク群のマクベス夫人、エフゲニー・オネーギン

私がおススメするロシア人歌手はイリーナ・マターエヴァさんです。

当時、マリンスキー劇場のアカデミーという若手のオペラ歌手として活躍していました。
エフゲニー・オネーギンのタチアナ役がぴったりでした。この方も本当に綺麗な方です。
マターエヴァさんが本当の少女のようで、感動したのを覚えています。
youtubeにありました!

マターエヴァさんのエフゲニー・オネーギンの「手紙の場」は惹きこまれます。

バイオリン講師 澤井亜衣

コンサートのパンフレットは年々溜まっていきます。
その一部を紹介したいと思います。

曲目の解説もしっかり書いてあるので、どんな曲か分からない時に読み返すと役に立ちます。
あとはコンサートプログラムを考える時なんかも構成など参考になります。
演奏者の作品に対する思いや、当日のコンサートに向けての気持ちなども書いてあって興味深いです。
舞台上ではトークコンサートでもない限り、演奏家の気持ちがわからないので、パンフレットに意気込みなど書かれていると、コンサートがますます楽しめます。

ムター、バイオリンコンサートのパンフレット
一度は行ってみたかったムター。日本で聴くより安かったのでロシアで聴きました。

お気に入りの演奏家は大事にとっておきたいですし、オペラやバレエのプログラムはカラーだったり、
昔の上演していた舞台や衣装などの貴重な写真も載っているので写真集みたいです。

上の写真のパンフレットはロシア語と英語で書かれています。

久しぶりに見ると、こんなコンサート行ったなとか、音楽家の写真が若い!とかパンフレットを整理してるのに、見てしまい、結局整理できないなんてことも。

ロシアでのコンサートではチケット料金にパンフレット代が含まれていないため、別途購入します。
とても小さな薄いプログラムであれば、当時は40円から50円くらいで購入できました。
有名人のコンサートや白夜祭など大きなコンサートプログラムだと400円~600円くらいです。
気に入ったコンサートだと思い出に購入していました。

日本で聴いたサンクトペテルブルグ・フィルハーモニーのパンフレットとロシアで聴いたフィルハーモーニーのパンフレット。比べてみると少し雰囲気が似ています。

マスレニツァという三月にあるロシアの春を祝うお祭りの時に行われたマリンスキー劇場のフェスティバルのパンフレット。ページをめくるとロシアオペラなどフェスティバルで公演する演目詳細が載っています。上の写真はー「サルタン王の物語」の写真。ロシアオペラは衣装がとても豪華です。この時期はロシア音楽がたくさん演奏されます。

こちらは、先生が日本でコンサートをされたときのパンフレット。生徒さんが古本屋さんで見つけてくれて、プレゼントしてくれました。オフチャレク先生、若い!そして楽しそうに仲間と映っているのが印象的です。

バイオリン講師 澤井亜衣

音階教本最近は色々あり、何を選べばいいのか悩んでしまうかもしれません。

今回紹介するのは、カールフレッシュが書いたスケールシステムです。https://www.amazon.co.jp/%E5%BC%A6%E6%A5%BD%E5%99%A8-%E6%A5%BD%E8%AD%9C%E3%83%BB%E6%95%99%E6%9C%AC-%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E9%9F%B3%E9%9A%8E%E6%95%99%E6%9C%AC-%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB-%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5/dp/B00FYIVHAA

こちらは、フィッシャー版。私が購入した時はマゼンタっぽい色でしたが、現在はロイヤルブルーです。インターナショナル版も購入する年によって色が変わることがあるのですが、何ででしょう?

カールフレッシュ音階教本
カールフレッシュ音階教本

もっと前はあずき色?みたいな感じ。姉から借りました。

リース&エルラー社のは日本語で書いてあるので便利かもしれません。

ユダヤ系ヴァオリニスト、カールフレッシュはイダ・ヘンデル、ジネット・ヌブー、シモン・ゴールドベルクなど名ヴァイオリニスト達の先生でもあります。おそらく素晴らしい教育者だったのでしょう。

タイトルにもあるように分厚いです。

カールフレッシュの音階教本
音階だけで何と厚さは1.3cm。重さは0.52キログラム

ページをめくると、

カールフレッシュ音階教本

黒くて、難しそうでやる気失います。
本当に難しいです。勉強でいうなら、一番難しい参考書を解くとでもいうのでしょうか?

東京藝術大学の入学試験、国際コンクールでの課題になっているこの教本。いかに重要でレベルが高いかわかるかと思います。

教本の特徴として、重音の音階がとても充実しているということ。重音は1小節弾くだけでもとても効果があると思います。(6番から10番)

5番は必須ですが、是非やっていただきたいのが1番です。G線のハイポジションで弾く音階は本当に難しいです。最初弾いた時、全く音にならなかったです。ハイポジションのG線は他の絃のハイポジションに比べ音が出にくいので、練習しないと良い音色にはならないと思います。しかし、ラヴェルのツィガーヌ、G線上のアリア、サンサーンスのヴァイオリンコンチェルト等聴かせる曲はG線のハイポジションで弾かなければなりません。

この分厚い教本、どこから手をつければいいのか?カールフレッシュは毎日違う調を弾く事と記していますが、それはかなりの上級者の練習方法かなと思います。音程がおろそかになり、雑に練習しそうだからです。しっかり音程を身に着けるためにはまずは5番、そして重音を弾き、少しずつフラットやシャープの数が増える調を練習していくのが初級から中級者の方の練習方法だと思います。人によって苦手な音階も違うので先生にアドバイスをいただきながら、取り組むといいと思います。

これが完璧に弾けたら鬼に金棒です!

バイオリン講師 澤井亜衣

私がロシアに留学していた時代はソビエト崩壊から10年くらいたってからでした。

ソビエト時代の音楽教育は、とてもレベルが高かったと言われています。
その時代の厳しい音楽教育を受けてこられた音楽家がサンクトペテルブルグ音楽院で後進の指導にあたっていました。私の習っていたオフチャリク先生はご高齢で、ショスタコーヴィチやムラヴィンスキーと親交が深かったといえば、何となく先生の若かりし頃の時代がどんなだったかわかるかもしれません。

サンクトペテルブルグ音楽院はロシアで最古の音楽院でとても伝統のある学校ですが、その一方で時代にそぐわないこともあります。良いも悪いも背中合わせと言ったりしますが、まさにその言葉が当てはまるのがロシアで最も古いサンクトペテルブルグ音楽院になるわけです。その伝統のある演奏法や演出についてはまたの機会にお話したいと思います。

今回のテーマはレッスンの方法について。

4年生になると、教授法という授業があります。弦楽器の先生が教育について語られるのは、日本の授業では珍しいので、貴重な経験でした。

教授法では、何を勉強するのか?

バイオリンを始める時期を考えたり、演奏の仕方をどのように教えるか?世界ではどのように教えているのか?などを学びます。もちろんロシアの演奏スタイルについても学びます。有名なロシアの音楽家たちのエピソードを聞けるのも楽しかったです。

授業を受けているとき、私の先生のレッスンの話題になりました。

教授法の先生が「オフチャリク先生はよく生徒と一緒に弾くでしょ?」と私に言ってきました。

レッスンではよく私と一緒に演奏して下さりました。どうやらこのレッスン方法は古いスタイルらしいのです。確かにオフチャリク先生のアシスタントのサーシャさんのレッスンを受けた時は弾いてはくれませんでした。他の先生のレッスン(とくに若い先生)もそういうことはありませんでした。

でも、結構一緒に弾いてくれると分かりやすく、上手になった感じがして気分がいいのです。
(上手になった感じがして気分がいいのは必要ないかもしれませんが。)すごく効果的な感じがし、私もレッスン時に実践しています。

小さい頃習っていた先生は日本人でしたが、よく一緒に弾いて下さったことを思い出しました。子供なので上手く弾けないので気分さらによくなっていた感覚は今でも覚えています。その先生もルーツを辿っていくとロシアメソッドだったのかな?(現在90歳を越えていらっしゃいます)

教え方というのは本当に難しく、どれが正しいというものでもないので、これからもああでもない、こうでもないと試行錯誤しながら教えていくんだろうな。と思います。

バイオリン講師 澤井亜衣