“夏”から始まった《ブエノスアイレスの四季》|丸の内ランチタイムコンサートで演奏します。

6月17日にアストル・ピアソラの《ブエノスアイレスの夏》を演奏します。《ブエノスアイレスの夏》は、もともと1965年にムニョスの演劇のために書かれた作品でした。
実は当初は「夏」だけの単独作品で、その数年後にほかの季節が書き加えられ、後に《ブエノスアイレスの四季》となります。ヴィヴァルディの《四季》が最初から4曲セットとして出版されたことを思うと、この成り立ちの違いはとても興味深いところです。

「Porteño(ポルテーニョ)」とは「ブエノスアイレスっ子」という意味。
つまりこの作品は、ヴィヴァルディのように自然の風景を描くのではなく、ブエノスアイレスという都会に生きる人々の“夏”を描いています。

そこには、ピアソラが確立した「タンゴヌエボ」の世界があります。
鋭いアクセントと熱気を帯びたリズムです。
また、北半球のヴィヴァルディと南半球のピアソラでは、季節が逆転しているという点も面白いところです。

私の恩師の荒井英治先生は荒井英治編でこの作品をソロでCDにしていて、ロシア留学時代、先生のアシスタントだったサーシャさんもピアソラが大好きで、CDやコンサートをされていました。私はカフェでチョコレートドリンクを飲みながら、その演奏を聴いた記憶があります。

恩師のピアソラCD

今回はトリオ版をベースに、サーシャさんのアレンジも取り入れながら、自分なりの形で演奏します。
以前《冬》をYouTubeにアップした際も、同じような方向性でアレンジしたところ知らない方からご連絡をいただいて好評でした。春や秋も、アレンジして少しずつ形にしていけたらと思っています。

今回のコンサートでは《夏》を演奏します。
申し訳ないと思いつつ、ピアニストの小林さんには、一部かなり手書きの譜面を渡してしまいました。少しずつパソコンでの譜面制作にも慣れてきてはいるものの、やはり私には手書きの方が速いみたいです。

丸の内ランチタイムコンサート是非聴きにいらしてください。

2026年6月17日(水)12:05~12:35

詳細はこちら

https://www.mori-trust.co.jp/concert

バイオリン講師 澤井亜衣